ジョン・セル・コットマン(1782‐1842)

英国で最も尊敬する画家の一人がコットマンです。彼の生涯は決して経済的にも楽なものではありませんでしたが、人生の最初期において優れた作品を残しています。1800年、18歳の時初めて王立美術院に出品し、この年協会から銀パレット賞を授けられました。ロンドンに上京して5~6年後、21歳から23歳にかけて彼の才能は突然開花します。表紙の「グレタ橋」はこの時期のものです。

グレタ橋

橋のアーチの形が美しいですね。馬と人の点景も画面に花を添えていると思います。この薄い大判の本は約85年前のものです。下は外国から購入したプリントですが、(後で本からの図版と知りました)「カーカム修道院」。これもコットマンの初期の作品でしょう。

一番上の本は1991年、大阪にいた当時梅田のナビオ美術館で英国水彩画展が開かれ、その時の買い求めた図録です。表紙はコットマンの「ダラムの新橋」。1805年頃の作品。彼の生涯は、総じて世間からの無視と貧乏との闘いでもありました。40代前半の頃は、かなりの困窮状態に陥ってしまい、希望を失った時期もあったようです。これほどのすぐれた作品を残した彼のことを思うと複雑な気持ちになります。

集めたコットマンの画集 5冊は英国より購入