水彩を始める人がまず初めに知りたいのは道具、画材でしょう。どのような画材を揃えたらいいのか、絵の具は国産?もしくは外国製? 紙は何がいいのでしょう。私が普段愛用している画材を紹介します。

スケッチ箱(画箱)は、30年以上前大阪の老舗の画材店で購入したWinsor&Newtonのセットです。当時2万円程度でした。チューブ入絵具14色入りでパレット、筆洗、筆がセットになっていました。日本のものと違い、パレットは各色を入れる溝部分が円形の凹みとなっています。また、筆洗は小さい丸型ですので、筆が充分洗えるのかな?と少々不安でした。筆洗は別に用意した方がいいですね。
左に小さなミニパレット付きの固形絵具の入ったものがありますが、これはビジュボックスと言われるもので、小品や大作の仕上げ段階の際に頻繁に用います。現在では絶版のようですが、他社(シュミンケ)などから似た品が出ています。国産ではホルベイン社が同じような商品を販売していましたが、現在はこれも絶版です。
Winsor&Newton社は英国の画材メーカーですが歴史は古く、すでに明治時代の水彩画家の間ではその品質の素晴らしさが噂になっていたほどです。このセットを使って驚いたのは、パレットに絵の具を溶いたとき、パレットのホワイトが水彩紙のようで非常に使いやすかったことです。そしてコリンスキー毛で手作業で作られた『series7』と呼ばれる筆こそがニュートンの名を知らしめたものです。女王陛下に献上されたこの筆の素晴らしさは、使ってみられると納得されるでしょう。水含みもよく穂先はきれいに尖ってくれ、細い線も広い面を塗るときも安心です。私は、この筆のサイズ5と6をよく使います。

筆の先にガーゼのような布があるのがお分かりでしょうか。実は、この布(綿布)とても制作に大切なのです。筆先の水分をさっと拭き取ったり、色のトーンを下げたりするのに活躍してくれます。是非、気に入った布切れを用意されることをおすすめいたします。この布は古い肌着の部分で40年近く使っています。「ピーナッツ」という漫画に登場するキャラクターのライナスのように手放せません。(笑)
スケッチブックやポストカード紙、筆洗やパレット、消しカスを取り除くはけなども紹介します。


水彩紙や絵具についてはまた制作過程などでも触れていきたいと思います。
コメントを残す